疾患

花粉症・アレルギー性鼻炎の診療 — 舌下免疫療法とゾレア注射に対応

日下診療所では、スギ・ヒノキ花粉症、通年性アレルギー性鼻炎、ダニアレルギーの診療を行っています。症状を抑える薬物療法に加え、体質を根本から変えていく舌下免疫療法(スギ・ダニ)や、既存治療で効果が不十分な重症スギ花粉症に対するゾレア注射にも対応しています。アレルゲンが分からない方にはView39検査(39項目の採血検査)もご利用いただけます。

監修: 石田 和也(理事長)公開日: 最終更新日:

日下診療所のアレルギー診療

花粉症シーズンの薬物療法

日下診療所では、毎年のスギ・ヒノキ花粉症シーズンや通年性アレルギー性鼻炎に対して、抗ヒスタミン薬の内服・点鼻ステロイド・点眼薬などを症状と生活スタイルに合わせて処方しています。「眠くなりにくい薬がいい」「妊娠中でも飲める薬を知りたい」「今年は例年より症状が強い」など、お一人おひとりの状況に合わせてお薬を組み合わせます。荒川区南千住エリアにお住まいの方やお勤めの方が多く、花粉飛散予測と生活リズムを考慮した治療計画のご提案も行っています。

なお、ヒノキ花粉に直接対応する舌下免疫療法はありません。ヒノキ花粉症の方には、スギ舌下免疫療法をシーズン前に開始することで交差反応により症状が軽減する可能性があること、またシーズン中は薬物療法を中心に症状を抑える方針をご提案しています。

舌下免疫療法(スギ・ダニ)

日下診療所では、スギ花粉症に対するシダキュア、ダニアレルギー性鼻炎に対するミティキュアの舌下免疫療法を実施しています。舌下免疫療法はアレルギーの原因物質を少量ずつ体に取り込むことで体質そのものを変えていく治療で、3〜5年の継続が必要ですが、症状の大幅な軽減や根治が期待できる唯一の治療法です。5歳以上のお子さまから治療開始が可能で、石田理事長(内科専門医)を中心に、内科専門医による診療体制でお子さまから大人まで対応しています。初回のみクリニック内で服用していただき、30分程度の経過観察を行います。スギ花粉症の舌下免疫療法は花粉飛散期(1〜5月)を避けて開始する必要があるため、6〜12月の開始がおすすめです。

アレルギー検査(View39・39項目の採血検査)

「何のアレルギーか分からない」「お子さまが何にアレルギーを持っているか調べたい」という方には、View39検査(39項目の特異的IgE抗体を一度に調べる採血検査)をご利用いただけます。スギ・ヒノキ・ブタクサなどの花粉、ダニ・ハウスダスト、動物の毛、主な食物アレルゲンなどを1回の採血で調べることができ、保険適用で3割負担の場合約5,000円です。結果は約1週間で分かります。日下診療所は小児科も標榜しており、お子さまの採血にも対応しています。ご本人やご家族のアレルギー体質を知る入口としてご活用ください。

重症スギ花粉症へのゾレア注射

通常の薬物療法では症状を抑えきれない重症のスギ花粉症の方に対して、抗IgE抗体療法であるゾレア(オマリズマブ)の皮下注射にも対応しています。保険適用となる治療ですが、対象は12歳以上で既存治療の効果が不十分な方など一定の条件を満たす必要があり、事前に血液検査(血清総IgE値・スギ特異的IgEスコア)での適応判定が必要です。詳しい治療内容・対象となる方の条件・費用・副作用については、重症スギ花粉症・ゾレア注射の診療ページをご覧いただくか、診察時に石田理事長からご説明します。

花粉症・アレルギー性鼻炎について

花粉症とアレルギー性鼻炎とは

アレルギー性鼻炎は、特定の物質(アレルゲン)に対して体の免疫が過剰に反応することで、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの症状を引き起こす疾患です。日本では国民の約半数がなんらかのアレルギー性鼻炎を持っているとされ、近年も有病率は増加傾向にあります。季節性のもの(いわゆる花粉症)と通年性のものに分けられ、生活の質(QOL)・仕事の集中力・睡眠の質・学習能率などに大きな影響を及ぼします。

季節性(花粉症)と通年性の違い・主な原因

季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)は、特定の季節に飛散する植物の花粉が原因で症状が出ます。日本ではスギ(2〜4月)・ヒノキ(3〜5月)・イネ科(5〜7月)・ブタクサ(8〜10月)などが主な原因花粉です。一方、通年性アレルギー性鼻炎は1年を通して症状が続くタイプで、最も多い原因はダニ(チリダニ)で、次にハウスダスト、ペットの毛、カビなどが続きます。両者の症状は似ていますが、季節性は目のかゆみが強く出やすく、通年性は朝の症状(起きたときのくしゃみ・鼻水)が目立ちやすいという特徴があります。花粉症と通年性アレルギー性鼻炎を合併している方も多く、日下診療所ではどちらの診療にも対応しています。

日下診療所での花粉症・アレルギー診療の特色

花粉症やアレルギー性鼻炎は、お子さまから大人まで多くの方が悩まれる身近な疾患です。「市販薬で一時的にしのいでいる」「症状が年々重くなっている」といったお悩みに対して、日下診療所では内科専門医による幅広い対応を行っています。日下診療所では、内科専門医・MPHの石田理事長を中心とした内科専門医チームで、抗ヒスタミン薬・点鼻ステロイドなどの薬物療法から、根本治療である舌下免疫療法(シダキュア・ミティキュア)まで、症状や患者さんのご希望に応じた治療を提案しています。重症の方には抗体療法(ゾレア注射)も対応可能です。専門的な検査が必要な場合は、東京女子医科大学足立医療センターと連携します。

石田理事長より

私は内科専門医・MPH(公衆衛生学修士)として、医療法人社団医承会の理事長を務めています。日下診療所でも花粉症・アレルギー診療を担当しており、症状を抑えるだけでなく、患者さんの生活の質をどう守るかを大切にしています。

「お薬を飲み続けるのは抵抗がある」「根本的に治したい」という方には、舌下免疫療法という選択肢があります。3〜5年の継続が必要ですが、症状が大幅に軽減する方も多くいらっしゃいます。木村院長や日下診療所の常勤医師とも連携し、患者さんの長期的な治療継続をサポートします。お気軽にご相談ください。

よくあるご質問

Q. 舌下免疫療法はいつから始められますか?

A. スギ花粉症に対する舌下免疫療法は、花粉飛散期(おおむね1〜5月)を避けて開始する必要があるため、6月から12月頃の開始が推奨されます。ダニアレルギーに対する舌下免疫療法は通年いつでも開始できます。

治療は3〜5年の継続が必要ですが、早期に症状の改善を実感される方も多く、体質そのものを変えていく唯一の治療法です。受診時に石田理事長がアレルギー検査の結果や症状の経過を確認し、治療開始の適切な時期をご提案します。

Q. 舌下免疫療法とゾレア注射の違いは何ですか?

A. 舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質を少量ずつ舌下から取り込むことで体質そのものを変えていく治療で、3〜5年の継続で症状の根本的な改善が期待できます。スギ花粉症・ダニアレルギーが対象で、5歳以上の方が受けられます。

ゾレア注射は、アレルギー反応を引き起こすIgE抗体に作用して症状を抑える治療で、重症のスギ花粉症で既存治療の効果が不十分な方が対象です(12歳以上・一定の適応条件あり)。花粉飛散期に皮下注射を複数回行い、その年のシーズン中の症状をしっかり抑えることを目的とします。

体質を変える治療(舌下免疫療法)と、重症シーズンを乗り切る治療(ゾレア)という位置づけで、目的が異なります。どちらが適しているかは診察時にご相談ください。

Q. 子どもでも舌下免疫療法はできますか?

A. はい、5歳以上のお子さまから舌下免疫療法を開始できます。日下診療所は小児科も標榜しており、お子さまの舌下免疫療法にも対応しています。

お子さまの花粉症・ダニアレルギーは成長とともに症状が強くなることが多く、受験期や就職後に重症化するケースも少なくありません。体質が変わりやすい小児期〜思春期に舌下免疫療法を行うことで、将来の症状を大きく軽減できる可能性があります。初回はクリニック内での服用と30分の経過観察が必要ですが、2回目以降はご自宅で1日1回服用していただきます。保護者の方と一緒に治療方針を丁寧にご説明しますので、お気軽にご相談ください。

Q. アレルギー検査はどのように受けられますか?

A. 日下診療所では、View39という39項目の特異的IgE抗体を一度に調べる採血検査をご利用いただけます。スギ・ヒノキ・ブタクサなどの花粉、ダニ・ハウスダスト・動物の毛・主な食物アレルゲンまでを1回の採血で調べることができます。

保険適用で3割負担の場合約5,000円、結果は約1週間でお伝えできます。予約時に「アレルギー検査希望」とお伝えいただければ初診日に採血まで完了します。小児科も標榜しているため、お子さまの採血にも対応しており、実際にお子さまのアレルゲンを調べたいというご家族からのご相談も多くいただいています。

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参考文献

  1. 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会「鼻アレルギー診療ガイドライン — 通年性鼻炎と花粉症 — 2024年版」 ライフ・サイエンス, 2024
  2. 日本アレルギー学会「アレルギー総合ガイドライン 2022」 協和企画, 2022
  3. 日本アレルギー学会「アレルゲン免疫療法の手引き」, 2022 [Link]
  4. 厚生労働省 e-ヘルスネット「アレルギー性鼻炎」 [Link]