糖尿病予防の食事・運動と受診の目安|家族歴・境界型が気になる方へ

家族に糖尿病の方がいる、健診で血糖値について指摘された。そのようなときは、普段の食事や体の動かし方を見直すきっかけになります。

この記事は、主に2型糖尿病の発症リスクを下げるための生活習慣を扱います。生活習慣を変えれば必ず発症を防げるという意味ではありません。1型糖尿病など、生活習慣だけでは説明できない糖尿病もあります。すでに治療中の方は、この記事だけで薬や食事の指示を変更せず、担当医と相談してください。

食事は「適量」と「バランス」から見直す

最初から食品を細かく禁止するよりも、食事の量、栄養の偏り、間食や飲み物の取り方を振り返ってみましょう。主食を完全に抜くといった極端な方法や、食べる順番だけに頼る方法で、予防が保証されるわけではありません。

まずは、普段どのようなものを、どのくらい食べているかを記録すると、見直す点を相談しやすくなります。必要な食事量は、体格、年齢、活動量や持病などで異なります。自己流の厳しい制限を始める前に、自分に合う量や内容を医師・管理栄養士に相談してください。

運動は、無理なく続けられる範囲で

運動習慣がない方は、体調に合わせて軽い活動から始め、少しずつ取り組む方法を考えます。歩く時間を作る、長く座り続ける時間を減らすなど、日常で続けやすい工夫も相談の材料になります。

有酸素運動や筋力を使う運動は、年齢や体力に合う方法を選ぶことが大切です。全員に同じ運動量を求めるものではありません。持病がある方や、運動中に症状が出る方は、自己判断で強度を上げず、医師に相談してください。治療中の方は、低血糖などへの注意が必要になることもあります。

体重の目標も一人ひとりで異なります

体重管理が必要かどうか、どのような目標が適切かは、体格や年齢、栄養状態などを合わせて考えます。やせている方や食事量が少ない方も含めて、一律に減量を勧めるものではありません。

短期間に大きく変えることより、今の生活で無理なく続けられる工夫を相談しましょう。食事・活動・睡眠の記録があると、続けやすい方法を話し合う助けになります。

HbA1cだけで「境界型」と決めないでください

HbA1cは、一定期間の血糖の状態を知るための指標の一つです。ただし、HbA1cの数値だけで糖尿病や境界型を自己診断することはできません。健診で保健指導の対象となる数値と、糖尿病・境界型の診断に用いる考え方も同じではありません。

血糖値、過去の検査結果、症状などを合わせて、必要な確認を医師が判断します。健診で受診を勧められた場合は、食事や運動の改善だけで様子を見るのではなく、結果に記載された案内に沿って相談してください。

家族歴があっても、発症が決まるわけではありません

家族歴はリスクを考える材料の一つですが、家族に糖尿病の方がいるだけで、自分も必ず発症するとはいえません。一方で、症状がないから問題がないとも判断できません。

家族歴や健診の指摘を医師に伝え、自分に必要な検査や生活習慣の見直しを相談しましょう。特定の割合を使って、個人の発症確率を断定することはできません。

相談するときに整理しておきたいこと

健診結果や過去の検査結果、使用中の薬が分かるものがあれば、相談時に持参してください。食事・間食、普段の活動量、気になる症状、家族歴も分かる範囲で整理しておくと役立ちます。新しい検査を自分で手配してからでなければ相談できないという意味ではありません。

日下診療所の診療については、糖尿病の診療案内をご覧ください。予約や初診の案内は、初めて受診される方へでご確認ください。

すでに糖尿病治療を受けていて転院を検討している方は、初診・転院時の準備と継続管理を参照してください。

よくある質問

糖質を完全に抜けば予防できますか?

特定の食品を抜くだけで予防が保証されるわけではありません。適量と栄養のバランスを、自分の体格や状態に合わせて相談することが大切です。

生活習慣を変えてから受診してもよいですか?

健診で受診を勧められているときは、改善の結果が出るまで相談を先送りしないでください。必要な検査や見直しは、結果や症状に応じて判断します。

家族歴がある人は、全員同じ間隔で検査すべきですか?

検査の内容や時期は、家族歴だけで一律に決まるものではありません。健診結果や体調などを伝え、医師に確認してください。

参考資料

医学監修: 木村(院長)

執筆: 石田 和也(理事長)