風邪気味でもインフルエンザ予防接種は受けられる?鼻水・咳・発熱があるときの相談目安
インフルエンザ予防接種を予約したものの、鼻水や咳が出てきた――そんなときは、症状と体調を接種先へ伝えましょう。軽い鼻水や咳があるだけで、必ず延期になるとは限りません。一方、明らかな発熱や重い急性の病気がある場合は接種できません。接種できるかどうかは、当日の問診・体温測定・診察を踏まえて医師が判断します。[1][2]
この記事では、接種前に風邪のような症状があるときに、相談のために整理しておくことをご案内します。
まずは、熱と「いつもとの違い」を確認しましょう
体温だけでなく、症状がいつから始まり、良くなっているか、悪くなっているかを確認してください。発熱がある、咳が強くなっている、食事や水分を取りにくいなどの場合は、接種の相談に加えて、症状の診療が必要かを相談しましょう。
お子さんの場合は、元気や機嫌、食欲、水分の取れ方、眠れているか、呼吸の様子も大切です。「熱はないので接種できる」と、ご家庭だけで判断しないでください。
強い息苦しさ、唇が紫色になる、意識がはっきりしないなどの症状がある場合は、接種予約の確認よりも救急対応を優先し、119番へ連絡してください。 [4]
鼻水や軽い咳だけなら、接種できることもあります
軽い風邪症状があっても、体調によっては接種できる場合があります。例えば、お子さんの軽い鼻水や咳は、それだけで一律に延期する理由にはなりません。[2]
ただし、同じ「咳がある」状態でも、軽く時々出るのか、眠れないほど続くのか、ゼーゼーするのかで確認すべきことが違います。鼻水も、普段からある症状か、今回新しく出てきた症状かを伝えると相談に役立ちます。
「いつものアレルギーだと思う」「少し良くなったから大丈夫」と自己判断せず、接種前の問診で症状を伝えましょう。ご家族から見た普段との違いも、医師が判断するための情報になります。
薬を飲んでいるとき・フルミストを予定しているとき
風邪薬や解熱薬を使ったことも伝えてください
処方薬だけでなく、市販の風邪薬や解熱薬についても、薬の名前と最後に使った時刻を伝えてください。お薬手帳や薬の説明書、包装の写真などがあると確認しやすくなります。
解熱薬を使った後に熱が下がっていても、その体温だけでは接種できるか判断できません。薬を使う前の体温や、その後の体調も伝えましょう。
接種のために、普段の治療薬をご自身の判断で休むことは避け、処方した医師や接種を担当する医師に確認してください。
鼻に噴霧するフルミストは、注射と注意点が異なります
フルミストは、2歳以上19歳未満が対象の経鼻弱毒生インフルエンザワクチンです。注射のワクチンとは確認事項が異なり、免疫を抑える治療を受けている方など、接種できない場合があります。また、重い喘息や喘鳴(ゼーゼーする呼吸)がある方などでは、接種の判断に注意が必要です。[3]
予約時に伝えていても、当日の症状や薬の変更は改めて申告してください。強い鼻づまり、喘息の治療歴、最近使ったインフルエンザの治療薬なども相談時に伝えましょう。症状だけを見て、ご自身で注射への変更や接種日の決定をすることは避けてください。
相談前に整理したい5つのこと
電話や診察で相談するときは、次の情報を手元にまとめておくと伝えやすくなります。
- 接種する方の年齢と予約内容:予約日、注射かフルミストか。
- 症状の経過:いつから鼻水・咳・発熱があるか、良くなっているか。これまでの最高体温と現在の体温。
- 今の体調:食事・水分・睡眠、息苦しさの有無。お子さんは元気や機嫌も。
- 使っている薬:普段の薬、市販薬、解熱薬などの名前と使用時刻。
- 持病や過去の接種歴で気になること:喘息、免疫に関わる病気や治療、過去の予防接種での強い反応など。
例えば「明日、子どもの注射の予約があります。昨日から鼻水があり、今日は熱はありません。食事は普段どおりですが、夜に咳が出ます」と、予約内容と体調を合わせて伝えてください。これは相談のための伝え方の例であり、この状態なら接種できると示すものではありません。
日下診療所で接種を予定している方へ
予約後に発熱や体調の変化があった場合は、来院前に診療時間内にお電話でご相談ください。
日下診療所:03-3803-5831
症状に応じた診療や、接種日についての相談につなげるため、予約内容と現在の体調をお伝えください。電話だけで接種できると確定するものではなく、当日の診察でも確認します。
接種の種類や予約の案内は予防接種のページ、今シーズンの実施内容・料金・助成は2026年度インフルエンザ予防接種のお知らせをご確認ください。発熱や風邪症状の診療については、発熱外来のページでご案内しています。
よくあるご質問
熱が下がった翌日なら接種できますか?
熱が下がってからの日数だけで、一律に判断することはできません。病気の種類や症状の回復具合、使用した薬などを踏まえて医師が判断します。「最後に熱が出た日時」「解熱薬を使った日時」「現在残っている症状」を伝えて相談してください。
子どもに鼻水がありますが、元気なら予定どおり行ってよいですか?
軽い鼻水だけで必ず延期になるとは限りませんが、予約先へ症状を伝えてから来院してください。食事や水分が取れているか、咳や発熱がないかも確認しておきましょう。フルミストを予定している場合は、そのこともお伝えください。
風邪薬を飲んでいるので、接種前だけ休んだ方がよいですか?
接種のために自己判断で薬を休むのではなく、薬の名前と服用状況を医師に伝えてください。薬だけでなく、その薬を必要としている症状や病気も確認したうえで判断します。
参考情報
- 厚生労働省:インフルエンザワクチン
- CDC:Vaccines When Your Child Is Sick(小児の軽い症状についての参考情報。国内での接種判断は国内の基準・製剤情報に基づきます)
- PMDA:フルミスト点鼻液 添付文書(2026年8月改訂・第6版)
- 日下診療所:発熱外来
情報確認日:2026年10月2日
執筆・医学監修: 石田 和也(理事長)