症状
のどの渇き・頻尿 — 尿量の変化と口の乾きを分けて考える
「口が乾く」「水を飲む量が増えた」「尿の量が増えた」「少量でも何度もトイレに行く」は、似ているようで異なる症状です。糖尿病で口渇・多飲・多尿が現れることがありますが、頻尿には膀胱や前立腺、薬、睡眠など別の原因もあります。日下診療所では、症状の組み合わせと経過を確認し、血糖値・HbA1cは院内で約10分を目安に結果をご説明します。1型糖尿病の診療とCGMの導入・継続管理に対応し、インスリンポンプの対応についてもご相談いただけます。
救急受診を考えるサイン
のどの渇きや多尿が急に強くなり、次の症状を伴う場合は、重い高血糖や脱水などの可能性があります。
- 呼びかけへの反応が鈍い、意識がぼんやりする
- 息苦しい、速く深い呼吸をしている
- 吐き気・嘔吐や腹痛があり、水分を十分に取れない
- 急な体重減少や強い倦怠感がある
意識障害や呼吸困難がある場合は119番へ連絡してください。それ以外でも症状が急速に悪化している場合は、診療時間を待たず救急医療機関へ相談してください。
まず、どの症状があるかを分けてみましょう
受診時には、口の乾きだけなのか、飲む量や尿の量も増えているのかを分けて伝えると、原因を考える手がかりになります。排尿回数が多くても、1回ごとの尿量が少ない場合と、1日全体の尿量が多い場合では、考えられる原因が異なります。
- 口の中が乾く、唾液が少ないように感じる
- 以前より水分を多く取るようになった
- 1回ごとの尿量、または1日全体の尿量が増えた
- 少量でも何度も尿意があり、トイレに行く
- 夜間に排尿のため目が覚めるようになった
- 排尿時の痛み、急な尿意、残尿感、尿漏れがある
- 目の乾き、関節痛、皮疹など別の症状もある
- 体重減少、強い疲労感、健診での血糖異常がある
考えられる主な原因
口渇や頻尿だけで原因を決めることはできません。症状の組み合わせ、飲水量、尿量、服用中の薬、持病などを確認して判断します。
糖尿病などによる高血糖
血糖値が高い状態では、尿に糖が排出されることで尿量が増え、のどの渇きや多飲につながることがあります。糖尿病は初期に症状がほとんどない場合もあり、症状があるかどうかだけでは判断できません。口渇・多飲・多尿、体重減少、倦怠感、健診での血糖異常などがある場合は、血糖値やHbA1cなどを用いて評価します。
1型糖尿病
1型糖尿病は若い方だけでなく成人でも発症し、のどの渇き、多飲・多尿、体重減少、強い倦怠感などが比較的短期間に進むことがあります。吐き気・嘔吐、腹痛、意識がぼんやりするなどの症状を伴う場合は、救急受診が必要です。
日下診療所では、1型糖尿病の診療とCGM(持続血糖測定器)の導入・継続管理に対応しています。インスリンポンプの対応についてもご相談いただけます。病状や必要な治療に応じて専門医療機関とも連携します。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
体重減少に動悸、発汗増加、手の震えなどが重なる場合は、バセドウ病などの甲状腺機能亢進症も検討します。診断は症状だけで決めず、甲状腺ホルモンや自己抗体などの血液検査を組み合わせて行います。
甲状腺エコーが必要な場合は連携先の医療機関で実施します。検査結果を踏まえた診療や、バセドウ病などの内服治療・継続管理は日下診療所で対応しています。
尿崩症
尿崩症では、尿を濃縮する働きに関わるホルモンの不足や腎臓の反応低下などにより、薄い尿が多量に出て、強い口渇や多飲が現れます。血糖異常だけでは説明できない著しい多尿がある場合は、電解質や尿の状態などを含む追加評価が必要です。
日下診療所で初期評価を行い、確定診断や治療導入に専門的な検査が必要な場合は専門医療機関へご紹介します。診断と治療が安定した後は、病状に応じて継続管理にも対応します。
膀胱・前立腺など排尿に関わる原因
1回の尿量は少ないのに回数が多い、急に強い尿意が出る、排尿時に痛む、尿が出にくいといった場合は、過活動膀胱、尿路感染症、前立腺の病気など、泌尿器科領域の原因も考えます。
水分摂取、薬、睡眠、ほかの内科疾患
水分やカフェイン、アルコールの摂取量、利尿作用のある薬などによって、尿量や回数が増えることがあります。夜間頻尿には、睡眠の問題、睡眠時無呼吸症候群、心臓や腎臓の病気などが関係する場合もあります。服用中の薬は自己判断で中止せず、受診時にお薬手帳をご提示ください。
尿量は増えていないが、口や目が乾く場合
口の乾きは、薬の影響、口呼吸、唾液腺や口腔内の問題などでも起こります。目と口の乾きが続き、関節痛や全身の症状もある場合は、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患を含めた評価が必要になることがあります。
そのほかの内分泌・代謝の病気
血液中のカルシウムが高くなる病気などでも、多尿や口渇が起こることがあります。症状や最初の検査結果に応じて、追加の検査や専門医療機関への紹介を検討します。
受診を考える目安
症状の期間だけで一律に判断するのではなく、急な変化があるか、生活に支障があるか、ほかの症状を伴うかが大切です。次のような場合は内科などへご相談ください。
- のどの渇き、飲水量や尿量の増加が続いている、または悪化している
- 体重減少、強い倦怠感、吐き気などを伴う
- 健診で血糖値やHbA1cの異常を指摘された
- 動悸、発汗、手の震えなどが体重減少と重なっている
- 排尿回数が増え、睡眠や仕事など日常生活に支障がある
- 目と口の乾き、関節痛、皮疹など複数の症状が重なっている
- 服用中の薬を変更してから症状が始まった
何科を受診すればよいですか
のどの渇きに加えて飲水量や尿量が増えた、体重が減った、健診で血糖異常を指摘された場合は、まず内科または糖尿病内科でご相談ください。動悸、発汗、手の震えなどが重なる場合も、内科や内分泌領域を扱う診療科が受診先の候補になります。少量ずつ何度も排尿する、急な尿意、排尿時痛、残尿感、尿が出にくい症状が中心の場合は、泌尿器科が適していることがあります。
尿量は増えていないものの、目と口の乾きに関節痛や皮疹などが重なる場合は、内科またはリウマチ・膠原病を扱う診療科での評価が役立ちます。日下診療所では症状を確認し、必要な場合は専門医療機関をご案内します。
日下診療所を受診する際にお伝えいただきたいこと
日下診療所では、症状の経過と診察所見を確認し、必要に応じて血糖値、HbA1c、腎機能などの血液検査や尿検査を検討します。検査項目と結果が出る時期は、症状や受診時の状態によって異なります。
血糖値とHbA1cは院内で測定し、約10分を目安に結果をご説明します。ただし、HbA1cだけで糖尿病の診断を確定するものではありません。日本糖尿病学会の診断指針に沿って、血糖値、症状、これまでの検査結果などを合わせて医師が判断します。追加検査や別の日の再検査が必要になる場合もあります。
2型糖尿病に加えて1型糖尿病の診療にも対応し、CGMの導入から継続管理まで行っています。インスリンポンプの対応についてもご相談いただけます。バセドウ病などの内服治療・継続管理にも対応し、甲状腺エコーや尿崩症の確定診断など専門的な検査が必要な場合は、連携先・専門医療機関と協力します。
受診前に分かる範囲でメモしてください
症状が始まった時期、1日に飲むおおよその量、排尿の回数と1回量の印象、夜間に起きる回数、体重の変化をメモしておくと診察の参考になります。お薬手帳と、健診や他院での検査結果があればお持ちください。
治療や次の受診先は原因に応じて決めます
検査と診察の結果に応じて、生活上の注意、治療、追加検査をご案内します。泌尿器科や専門医療機関での評価が適している場合は紹介を検討します。対面受診後のオンライン診療を利用できるかは、診断、病状、必要な検査や治療内容を確認したうえで個別に判断します。
考えられる主な疾患
糖尿病
口渇・多飲・多尿の原因となることがあるため、血糖値などを用いて評価します。
シェーグレン症候群
尿量の増加よりも目や口の乾きが中心で、関節症状などもある場合に検討します。
バセドウ病などの甲状腺疾患
体重減少、動悸、発汗、手の震えなどが重なる場合は、甲状腺機能を評価します。
よくあるご質問
Q. のどの渇きや頻尿は、どのくらい続いたら受診すべきですか?
A. 期間だけで一律に決めることはできません。症状が続く、悪化している、日常生活に支障がある、体重減少や強い倦怠感を伴う場合はご相談ください。意識がぼんやりする、息苦しい、嘔吐で水分を取れないなどの症状がある場合は、通常の外来を待たず救急受診を検討してください。
Q. のどの渇き・頻尿は何科を受診すればよいですか?
A. 飲水量や尿量の増加、体重減少、健診での血糖異常がある場合は、まず内科でご相談ください。少量ずつ何度も排尿する、排尿時痛、残尿感、尿が出にくい症状が中心の場合は、泌尿器科が適していることがあります。
Q. 受診前は食事を抜いた方がよいですか?
A. このページの情報だけをもとに、自己判断で食事や水分を抜かないでください。必要な検査は症状や受診時の状態によって異なります。予約時に個別の案内があった場合は、その指示に従ってください。
Q. HbA1cを測れば、その日に糖尿病と診断できますか?
A. 日下診療所では、血糖値とHbA1cを院内で測定し、約10分を目安に結果をご説明します。ただし、HbA1cだけで一律に糖尿病と診断するものではありません。血糖値、症状、過去の検査結果などを合わせて医師が判断し、追加検査や別の日の再検査が必要になる場合があります。
Q. 1型糖尿病やCGM・インスリンポンプについて相談できますか?
A. はい。日下診療所では1型糖尿病の診療と、CGM(持続血糖測定器)の導入・継続管理に対応しています。インスリンポンプの対応についても、現在の治療内容やご希望を確認したうえでご相談いただけます。使用中の機器や治療内容が分かる資料をお持ちの場合は、受診時にご提示ください。病状や必要な治療に応じて専門医療機関とも連携します。
Q. のどの渇き・頻尿はオンライン診療で相談できますか?
A. 原因を調べる初回の評価では、診察や血液検査・尿検査が必要になることがあるため、対面受診をご検討ください。その後オンライン診療を利用できるかは、診断、病状、必要な検査や治療内容に応じて個別に判断します。救急受診が必要な症状がある場合は、オンライン診療を待たないでください。
Q. 口と目が乾き、関節も痛みます。糖尿病でしょうか?
A. 糖尿病以外にも、シェーグレン症候群などで目や口の乾きと関節症状がみられることがあります。尿量の増加があるか、ほかにどのような症状があるかを確認したうえで、必要な検査を検討します。